ノベルの実験部屋

ここは視覚障がい者の日常生活を良くできるかもしれないアイディアを試す実験部屋。 
これは使えそう! できそう! と思えたものがあれば試してみてください。 
目が見えなくなったことでできることは減ったかもしれません。 
でもよくよく考えてみると見えなくてもできることって多いのですよ? 
そして工夫のアイディアが思いついた瞬間、思うわけですよ「私は天才かもしれない」って(笑) 
アイディアを試しているときは世紀の大実験をおこなう天才博士の気分です。 
うまくいけば「やはり私は天才だ」と高笑い。 それがコーヒーをお鍋で入れればこぼれないだろう みたいなとてつもなく下らないアイディアであっても、気分は宇宙の真理を一つ解き明かしたかのような大騒ぎ。 
失敗したらしたで原因を考えて次こそ成功へ! 
工夫とアイディアと考え方次第で人生は面白くもつまらなくもなります。 
それは視覚障がいを負ったって変わらないのです。 
なんて言っている私も見えなくなって1年くらいは絶望していたんですけどね。 
たぶん頭のネジが何本かとれちゃったのでしょうか。 
できなくなったと思うことを再びできるようにするにはどうすれば良いのか考え始めたら楽しくなってきてしまいまして。 
私の言葉ひとつ、アイディアひとつで救われる瞬間があるならばこれほど嬉しいことはありません。 


実験#001 上靴のすすめ

部屋を歩くとき、家具や荷物に足の小指をぶつけてしまうのが地味に怖い。 
また、何かを踏んづけてしまうのでは?と
不安で足を踏み出すのが怖い人におすすめ。 
上靴を履いて生活してみましょう。 
足先の防御力を上げることによって室内移動時に生じる足元の危険を緩和させ、少しだけ安全な視覚障がいライフを獲得! 
安全に移動できるようになれば室内を探ることもでき、探索が進めて室内の様子のイメージができてくればより安全に移動できるようになるでしょう。 
スリッパでも良いのですが、慣れていないとその辺りに脱ぎ散らかしてしまい、スリッパを探すという手間が増えてしまうので上靴を勧めてみました。 


実験#002 室内にメインストリートを作る

どこにどんなお部屋やトイレや洗面所があるのか。 

それがわからないというのは見えなくなってから生活を送るうえで大きな不安です。 
また、場所を覚えても周りの人が通路に物を置いて一時的にでも環境を変えてしまえば視覚障がい者はパニックです。 
でもだからといって気を付けるのは難しい。 

そこで今回のアイディア。 
室内でよく通る場所にカーペットやウレタンマットなどを敷いて通り道を作ってみましょう。 
たとえば玄関とトイレと自室の間の床をマットでつなぎ、マットの上を歩くようにすれば… 
玄関とトイレと自室の行き来で迷う心配はだいぶ減ります。 
職場ならば玄関と席とトイレと食堂をつなぐ感じでしょうか。 
それだけならば道を作らなくても入口の前だけにマットを敷けばよいと考えてしまいがちですが…
通り道を目に見える形でハッキリとさせることによって
家族や同僚など目の見えている方々にも 床に物を置いてはいけないエリアがわかりやすくなるため、道を作るというのは案外意味があるのです。 
「ここには物を置かないで!」から始まる喧嘩はよくあることですが、
物を置いてはならない場所がハッキリするだけでも見える側にとっては配慮しやすくなるのではないでしょうか。 
視覚障がい者本人、周りの意識を変えていくきっかけになれば幸いです。 


実験#003 箱に入れて管理する

視覚障がいを負った後の生活で困ることの一つに どこに何を置いたかわからなくなる というのがあります。 
慣れていない頃は物を置いた位置が少し違うだけで
ここに置いたはずなのに、ない! 
ということは誰でも経験します。 
もちろんそういったトラブルを回避する方法として 物を置く位置を決め、必ず同じ場所に置く というものが推奨されているのですが… 
これがなかなか難しいのです。 
いくら置き場所を決めても正確に置くことができなければ意味がないのです。

そこで置き場所がわかりやすくなるよう 
箱や籠を活用してみようというのが今回のアイディア。 
箱の素材は紙でも段ボールでもプラスチックでも構いません。

物の置き場所を決めたうえでその場所に箱を配置し、
リモコンはこの箱。 アイフォンはこの箱に入れる。 役所から届いた書類はこの箱。 
といった感じで管理すると
箱にさえ入っていれば次に使うときも探しやすくなります。
とはいえ箱自体を動かしてしまったら意味がないので箱を置く位置はできるだけ固定したほうが良いでしょう。 

難しく考えなくても、目が見えていた頃にやっていたことと大して変わりません。 
鉛筆やハサミや定規などを鉛筆立てに入れて管理していたように… 
本を本棚に立てかけていたように… 
書類や小物を引き出しに入れていたように… 
それらと同じような感覚で、置き場所や入れる場所を少しだけ詳しく分けるだけなのです。 
面倒くさかったら よく使うものは大きな箱へ全部入れちゃう感じでも案外良いかもしれませんね。 


実験#004 テープを貼って目印をつける

各種電化製品の操作ボタン。
電源ボタンすらどれかわかりづらいこともしばしば。
とくに電子レンジは温める他にも解凍、物によってはオーブン機能もついていたりしてボタンの違いがわからないと
温めるのもひと苦労。
でもテープを貼ってボタンの違いがわかるようにすればだいぶ楽になります。

それこそ
あたためボタンにガムテープ、
解凍ボタンにセロハンテープ
といった感じでテープを貼りつけてしまえば操作ミスはだいぶ減るのではないでしょうか。
1つのテープでも
単に貼るだけ、
わざとテープを余らせて貼る
厚紙を挟んでテープを貼る
など、貼り方を変えることで触って違いがわかるようになります。
とはいえテープを貼るとボタンの反応が悪くなる可能性もあるので万能ではありません。


実験#005 定規を使って物探し

床に物を落としてしまった時、落としたものを探し出すのはなかなか大変です。

ペットボトルのキャップなんかは予想以上に遠くまで転がってしまったりして、でも拾っておかないと踏んづけた時に後悔…なんてことも。

しかし手探りで探し出すのはやはり大変すぎる。

というわけで今回のアイディア。

30㎝定規を活用して落とし物を探す作戦。

定規を使い床をなぞって落とし物を探します。
掃除機をかける感じのイメージです。
奥から自分のほうへ引き寄せるようにすると良いでしょう。
落とした物が大きければ定規の端を持って左右に振って探す方法も有効です。


実験#006 紙を活用する

紙は案外使える代物だったりします。 
細長く折れば紐代わりにもなり、棒状に丸めれば文字通り棒として使うこともでき、
袋や箱の折り方を知っていれば袋や箱として使うこともでき、
もちろん折り紙を楽しむことだってできます。
小さく折りたためば持ち運びもしやすく、替えもきくので気楽に使い捨てることができます。 
使い方を知れば知るほど応用が利くのです。 
それはまるで風呂敷のよう。 

と紙の良さをざっくり考えてみたのですが、
あれ? 今の世の中、紙ってどこで手に入るのだろう?
しかも、視覚障がい者がどこで紙を調達するのかを考えると紙もなかなか貴重に…


実験#007 調味料を上手につける

ソースやマヨネーズなどをかけすぎる、かかっていないといった地味なストレスを解消するためのアイディア。
ソースや醤油などはかけるのではなく、つける。
小皿にソースや醤油を出し、
お寿司やフライドポテトを食べる時のように食べ物を持ってソースや醤油につけるという方法です。
ケチャップやマヨネーズなど、チューブ系統の入れ物の調味料も一旦指に出してからつけると、直接かけるよりも上手くできるのです。

お行儀が良いかと問われると微妙なところですけれど、
塗りすぎた、お皿からハミ出た、といった地味なストレスは解消できるかもしれません。


実験#008 洗濯ばさみで目印

目印として案外使える身近な道具。
それは洗濯ばさみです。
物をちょっと束ねておきたいとき、
一時的に目印をつけたいとき、
ちょっと挟んで使い、用が済んだら外すだけ。 
一つ携帯しておくと地味に便利なアイテムです。 

私は靴を脱いだ時、自分の靴を洗濯ばさみで束ねるという使い方をしています。
束ねておくことで靴が片方だけどこかへいくという心配も減りますし、
靴を探す際は洗濯ばさみを頼りにすれば探しやすくなります。 
これは自宅の玄関、外出先の玄関どちらでも有効な方法です。 

他にも
人が集まる場でカバンや白杖や傘などをどこかへ置く場合にも自分の荷物のわかりやすいところに洗濯ばさみを挟んでおき、目印にするという使い方もできます。
洗濯ばさみでは見た目がちょっと…という人はヘアクリップなどを使ってみるのも良いでしょう。 


実験こぼれ話。

暑くなってくると上靴なんて履いていられないわー!
というわけで上靴を脱いだわけですが…
ガツンッ 
痛い!
なんと上靴を脱いだその日に足の親指を扉の端にぶつけてしまうという大失敗。
ぐぬぬ、上靴さえ履いていればぶつけても痛くないのに。
けれど暑い日に上靴を履きたくないんですよね。
足の指が食み出ない程度の通気孔を上靴に開けちゃおうかなー(笑。


実験#009 エプロンを使用してみる

目が見えないとご飯をこぼさずに食べるのも一苦労。
こぼしていないつもりでも、服にご飯粒や揚げ物の衣がついていた…なんてことあると思います。
目が見えないのだからこぼしたことにすぐに気づけなくてもしかたがない。
…と頭では理解できていても、お気に入りの服を自身の不注意で汚してしまうのは嫌なものです。
こぼさず食べることができれば良いだけとはいえそれが難しい。


というわけで今回のアイディア。 
食事の時はエプロンを着用してみたらどうでしょうか。


お食事の時にマイエプロンを取り出して着用し、
こぼすことを気にしすぎずお食事を楽しみ、
食事を終えたらエプロンは脱いで片付ける。


エプロンも手早く出し入れ、着脱できればなかなかお洒落な気がしませんか?